めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

【ネタバレあり】これがいつかの明日……?『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』

f:id:me-rry:20220327191152p:plain

はじめに

 私が一番好きな仮面ライダーはウィザードです。簡単に説明すると寄り道はつまらないけど本編が死ぬほど面白いカブトとは真逆なタイプの作品。

 オーズも好きな作品なのだが、実は私はウィザード辺りまでリアルタイムで特撮を見ていない。

 所謂平成1期と呼ばれる作品はクウガから剣まで見ていて、そこから一旦ニチアサ作品からは離れていた。それから何年も経ち、Twitterでウィザードが話題になったタイミングで再び見始めたわけだ。

 なのでオーズ放送当時のことはあまり知らない。ただ後から見たとしても思い入れのある作品であることには変わりないので、今回は怒りはしないが少しだけ虚しくなっている。

 オーズ放送から10周年を記念して公開された本作だが、オーズ完結作と銘打っていたのもあり私は発表時少しだけ複雑な気持ちになった。映司とアンクが再会するのは嬉しいのだが、本編の終わり方が最高すぎて蛇足になってしまうのではないか。再会するにしても平ジェネFINALの時のような感じの方がいいのではないか。そんなことを考えていた。

 しかしどんなストーリーになるか楽しみだったのも事実で、私はウキウキで映画館へと向かった。……私の中であれは完結作ではなくパラレルワールドの話です。

 

唐突な復活、唐突な別れ

 物語の舞台はオーズ本編から10年後の2021年。世界は復活したグリードと古代オーズによって滅亡の危機を迎えていた。本編のメインキャラたちはレジスタンスを結成し脅威に立ち向かっていたが劣勢で、全滅も束の間だった。こういう展開をライダーで見るの何回目だ。

 そんな中、突然本編で消滅したはずのアンクが復活する。その理由は本人もわからない。状況に困惑しつつも、アンクは映司と再会を果たすのだが、他のキャラの口から衝撃の事実が明かされる。

 

『英司は古代オーズとの戦いで女の子を庇って大怪我を負ってから行方不明になっている』

 

 もう死亡していたものだと思っていたが、アンクが英司と会ったことを伝えると、本編ヒロインの比奈と共に英司の隠れ場に向かう。

 そこでグリードのウヴァの襲撃に遭うが、アンクがとあることに気づく。

 映司の中にある謎のコアメダル。そのことを訊ねると、ファンにとっても衝撃の展開となる。

 

『現在の映司は人工的に作られたコアメダルで生み出された人工グリードのゴーダが操っていて、映司本人は古代オーズとの戦いで瀕死の状態』

 

 ただ希望を失ったわけではない。アンクが憑依している信吾も瀕死の状態から復活した経緯がある。そのため、アンクは映司を取り戻すためにも表面上はゴーダと共闘して古代オーズと戦うことを決める……というのが本作の前半部分だ。

 前半部分で私が思ったのはグリードの扱いの悪さだ。

 私は声優のゆかなさんのファンということもあり、グリードの中ではメズールが一番好きなのだが、本作で彼女の戦闘シーンはほぼない。というより、ウヴァ以外のグリードは最初のレジスタンスとの戦闘以外戦う描写がなく、当然オーズとも戦わない。

 そんな彼らの末路は……ウヴァが敗走したことで失望した古代オーズによって全員が吸収されてしまうというもの。オリジナルキャスト再集結でグリード陣も例外ではなくそれを喜んでいた人が多かったが、そんな中でこんなことされたらそりゃ怒る人も出るよね。

 

記念作品でこのオチやるか?

 ゴーダと共に古代オーズを撃破するのだが、当然それでハッピーエンドとはいかない。

 古代オーズが貯め込んでいたメダルをゴーダが取り込んだことで共闘関係は決裂、映司の肉体は治癒されないままゴーダは出ていってしまう。

 暴走するゴーダと戦うため、アンクは映司に憑依してオーズに変身する。アンクが変身したのは本作初登場の新フォームである、タジャドルコンボエタニティだ。

 この展開は見ていて素直に熱かった。タジャドルコンボエタニティの動きに合わせて映司の幻影が現れて共に戦うというのも良い。ただ私はそれを見て『エルデンリング』の遺灰システムを思い出して少し笑いそうになってしまった。

 新フォームでゴーダを撃破し映司も復活してハッピーエンドとなると思ったのだが……

 

火野映司が完全に死亡してエンドロールが流れ始める。

 

 ……は?

 いや、は???

 Vシネについてはあまり詳しくないのだが、最近の東映はVシネでメインキャラを殺しがちというのは耳にしている。

 でもこれ10周年記念作品ですよね????

 オーズ完結作なんですよね???????

 あまりの展開に脳が理解を拒否する。目の前の光景を受け入れることができない。

 エンドロールと共に普段なら聴くだけでテンションが上がる本編OPの『Anything Goes!』のアレンジと原曲が流れるのだがテンションは下がる一方。

 流石にエンドロール後に何かあるだろと信じたがエンドロール終了直後に明るくなる劇場、私はしばらく席から立つことができなかった。

 今でも悪い夢なんじゃないかと疑っている自分がいる。だって人気作の10周年記念の完結作で主人公殺すなんてことある?

 

良かった点

・前述したがタジャドルコンボエタニティはめちゃくちゃかっこいい。

・鴻上会長はほんといつも楽しそうですね^^

 

気になった点

・映司の行動が若干解釈違いというか、クソデカ欲望の持ち主の映司の最後の願いがそれだけ??? とどうしても思ってしまう。

・バース、まさかの新フォーム……なのだが活躍は皆無。

 

最後に

 私は「公式が勝手に言っているだけ」と言い出す人が正直嫌いなのだが、今回ばかりは公式が勝手に言ってるだけです。

 映司は2022年現在もいつかの明日を求めて世界を旅しています。そう思わないとやってられないよ。

 

 それと現在放映されているリバイスも平成並に凸凹していて目が離せないのだが、個人的にはこれ何度目だよって感じの新世界創造オチをして、アギレラ様には是非さくらちゃんとくっつくかさくらちゃんに片想いする重めの女の子になってほしいです。そうなったらもう全部の文句あるポイントには目をつぶります。

 

おしまい