めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

圧倒的ビジュアルの暴力『XXXHOLiC』

 すごい個人的な話だけど昔から神木隆之介くんと柴咲コウさんの顔がめちゃくちゃ好き。というか神木隆之介くんがもうアラサーなことに一番困惑してるのは俺なんだよね。

 

はじめに

 『カードキャプターさくら』を代表作とする超人気クリエイター集団CLAMPの作品である『XXXHOLiC』が実写化すると発表された時、恐らく本作を読んだことのある人の大半は『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』(以下『ツバサ』)との関係がどうなるか疑問に思っただろう。

 『XXXHOLiC』は単独した作品ではあるのだが、同時に同作者の『ツバサ』と強い繋がりを持った作品でもある。ちなみに『ツバサ』を簡単に説明すると『カードキャプターさくら』などのキャラをスターシステムとして登場させている作品だ。

 そこが映画でどうなるか不安でもあったのだが、前述下通り私は主役2人のファンなので迷わず観に行った。なので感想を語ります。

 

ギャグと他作品要素は排除

 高校生の四月一日君尋(わたぬき きみひろ)は普通の人には見えないアヤカシを見ることができた。そのせいで彼は幼い頃から苦労し続け、ついには自殺一歩手前まで追い詰められてしまう。

 そんな時四月一日の前に赤い蝶が現れ、それに導かれるように彼は願いを叶える店に迷い込み、ミセの主人である壱原侑子と出会う。

 四月一日の願いはアヤカシが視えたり憑かれたりする体質を治すこと。しかしそれを叶える対価として一番大切なものを求められる。だが彼は体質のせいで周りとの関わりを避けていたこともあり大切なものが自分でもわからなかった。

そこで侑子の提案で四月一日は大切なものを見つけるために半ば強制的に家事手伝いとしてミセで働くことになる……というのが序盤の簡単なあらすじだ。

 原作はギャグ要素も多く、四月一日はツッコミ役で侑子はボケることが多いのだが、映画ではギャグ要素はほぼ削られシリアスがメインとなっている。更に前述した『ツバサ』との関係性も排除されている(まあこれは当然といえば当然)。

 好みは分かれそうだが個人的には尺に収めるためには妥当な判断かなって感じ。まあ本作がちゃんと尺足りてるかって聞かれるとそれはまた別の話なんだけどネ!

 

一気に原作ラストまで

 本作の敵は女郎蜘蛛(一応原作にもいるキャラ)とその手下のアカグモ(こっちはオリキャラ)。女郎蜘蛛は四月一日の持っている力を求めて彼に近づく。そして女郎蜘蛛の甘言に惑わされてしまった四月一日は永遠に4月1日を繰り返す世界に囚われてしまう。

 四月一日は囚われる前に自分の行動のせいで友人の百目鬼静と九軒ひまわりを傷つけてしまったり、母親が自分が原因で亡くなったことを思い出したというのもあり、思考を停止して平穏な日常を楽しんでいた。しかし、百目鬼とひまわりの真意を知り、新しい明日を求めて女郎蜘蛛と対峙する……のが後半の内容だ。

 私が後半……というか女郎蜘蛛が登場するシーンではずっと(女郎蜘蛛めちゃくちゃエロいな……)と思っていた。原作でも露出度の高い服を着るキャラではあるのだが、なんというか実写化して更にコスプレ感が薄いせいか生々しさがやばい。ついでにアカグモもなんか一々エロい。

 本作は衣装にも気合が入っていて侑子が着る大量の衣服や女郎蜘蛛のビジュアルも大きな魅力の1つだ。

 

 ラストは是非映画館で観てほしいのだが、過程は別物と言っていいほど異なるが四月一日は最終的に原作とほぼ同じ選択をする。ただこれは原作を知らないと少し違和感を抱いてしまうかもしれない。更に四月一日と侑子の正体についても本作ではカットされている。まあ前者は『ツバサ』との関わりがあるから仕方ないけど。

 しかしそんなことよりも最後の四月一日を演じる神木隆之介くんの雰囲気が妖艶すぎて本当にやばい。あれは死人が出るレベル。

 

最後に

 ミセに何か問題を抱えた人が現れてそれを解決するというパートがほぼダイジェストで済まされているというせいもあり本作は正直別物なのだが、本作のビジュアルは本当に圧倒的で、深いことは何も考えずに大画面で圧倒的な映像を楽しむだけでも十分に価値があると思う。ただやっぱり観終わったら原作にも触れてほしい。正直私も結構忘れてるので今単行本を集め直しているところです。

 手放しで褒められる出来というわけではないのだが、個人的にはかなり満足した作品だ……嘘、もっとマルダシとモロダシがわちゃわちゃしてるシーンが見たかった。

 

おしまい