めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

BLEACHも続編やりませんか?『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』

 

はじめに

me-rry.hatenablog.com


 前編を見たので当然後編も見てきました。
 前作で残念だった部分をかなり改善させていた完結編前編ですが、後編はどうかというと……ちょっと微妙な部分が多かったと個人的には思っています。

 

やはり尺不足
 前編はエドとリン、そしてホムンクルスのエンヴィーがグラトニーによって捕食されたところで終了する。
 後編はグラトニーの体内から脱出するところから始まる。そしてその後はブリッグズでのスロウスとの戦闘、約束の日での最終決戦と続いていくのだが、まあ予想通り尺が足りないためかなりテンポよく進んでいく。
 その犠牲として目立つのはホムンクルスたちとの決着だ。仲間に捕食されるという皮肉な結末を迎えたグラトニー、人間に嫉妬していることを指摘され自ら賢者の石を破壊して自害したエンヴィー、シンプルに賢者の石を使い果たして敗北したスロウス、この三人が個人的には尺不足の犠牲になっていると思う。あとスロウスは少しCGの出来が悪い気がする。
 もちろん原作のストーリーが素晴らしく、本作もほぼ原作通りの内容なのでつまらないというわけではない。だが、だからこそもっとじっくりやってほしかったなというのが本音だ。
 ただ約束の日後半、特にお父様やラースとの戦いはかなり迫力があって高評価だ。それにお父様がホーエンハイムを取り込んだ姿がかなり不気味で好き。
 余談だが原作でもかなり好きで読んだ時に思わず泣いてしまった「勝てよ 兄さん」のシーンは映画でも泣いてしまった。それって結局原作がいいだけですよね?と聞かれると返答に困ってしまう。

 

まさかの改変
 実は完結編には原作では超重要キャラであるティム・マルコーが登場していない。

 マルコーは原作では初登場時すぐ死ぬと思われていたが実際には最後まで活躍し続けるキャラなのだが、ハガレンってわりとそういうキャラ多いよね、映画ではなんと5年前の前作にて死亡している。多分この時は完結編なんて考えてなかったんだろうなって。

 彼が死亡したことによって映画最終盤でとんでもない改変が起きている。それは……

 

マスタング大佐の視力が回復しない

 

……は?


 人柱の数合わせをするために無理矢理人体錬成をさせられ、その代償として視力を失ってしまったマスタング大佐なのだが、原作ではお父様を撃破した後マルコーの持つ賢者の石によって視力を回復する。
しかし前述した通り映画ではマルコーが死亡してしまっているためマスタング大佐の視力は回復せず、ホークアイ中尉と共に回復の方法を探しにいくという結末になっている。
しかし、リンはグリードの残した賢者の石をちゃっかり獲得している。それを使えばよかったのでは?と言いたいところではあるが、そうなるとリンが皇帝になることができなくなるので難しいところだ。

 

最後に
 やはり中編があってもよかったと考えそうになるが、スロウスのCGや終盤の背景の合成感を考えると中編を挟めば更に酷いことになっていたかもしれない。なのでまあこれでよかったのだろうと無理矢理言い聞かせることしかできない。
 ただストーリー自体は本当によかったので是非大画面で観てほしい。
 ストーリーを褒めると結局のところ原作がいいだけですよね、となるので最後に映画版独自の良さをひとつ挙げると、それはメイを演じるロン・モンロウさんの演技力が徐々に上がっていくことだ。
 前編ではかなり片言で聞きづらいシーンも多いのだが、後編終盤ではかなり流暢になっている……気がする。ただ慣れただけだろとは言ってはいけない
 ……そういえば実写版がっこうぐらしを見た時も似たような楽しみ方してたな。

 

おしまい