真1から逃げるな『真流行り神3』
夏と言えばホラーです(断定)。
なので実は楽しみにしていた流行り神シリーズの最新作である『真流行り神3』の感想を語っていきたいと思う。
本当はもっと早くクリアする予定だったが、『新すばらしきこのせかい』と発売日が数日違いだったため(タイトルも若干被っている)かなり時間がかかってしまった。
念のため言っておくとスクショも貼ってるので苦手な人は注意。
システムも一新したせいで失敗した真1
タイトルでわかるかもしれないが『真流行り神3』は流行り神シリーズの3作目というわけではない。『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』(以下無印)が3まで出て完結し、そんなシリーズの世界観を引き継いだのが『真流行り神』(以下真1)だ。
キャラクターは一新されたが物語の魅力は変わらず……ということにはならず、シリーズ4作目である『真流行り神』は賛否両論の出来となってしまった。その大きな原因の一つとして、科学ルート/オカルトルートへの分岐システムが廃止されたことだと個人的には考えている。
事件をあくまで人が何らかのトリックで起こしたという科学的な視点で捜査するか、それとも幽霊や超能力といったオカルトの存在を容認した上で捜査をするというルート分岐は無印シリーズの醍醐味であり、大きな魅力の一つだった。しかし、何故か真1ではそれが廃止されてしまった。
代わりに真1では1つの事件を複数のシナリオで解き明かし、シナリオごとに犯人等の設定が違うという仕様になっている。それどころか真1では虫やゾンビといった都市伝説とは離れたシナリオが多く、そういった意味でも無印シリーズファンの期待とは違った作品だった。
その反省を生かしたのか、真2では無印シリーズのルート分岐システムが復活している。当然、真3でも採用されている。
作品を彩る怪異たち
本作には都市伝説にまつわる怪異が多数登場する。
わずかな隙間に入り込みこちらを見る『隙間女』
元ネタでは見てくるだけらしいが、本作では普通に襲いかかってくる。
定番ホラーの『悪魔の人形』
勿論アレンジもされていて本作では被害者の遺体の写真にだけ写る人形の幽霊の話だ。ただ何故か科学ルートでは普通に実体化したりする。
食事中にプレイしてはいけない『人間シチュー』
本来なら追い炊き機能が改善された現代では起こりえない事件だが、怪異のせいで起きたという風にアレンジしている。
今色々と話題の『両面宿儺』
と言ってもCVが諏訪部順一のあのキャラクターではなく、大昔に実在したとされる両面宿儺、そして都市伝説で語られている両面宿儺がテーマとなっている。
その他にもインターネットで大人気な『八尺様』(おねショタの便利な素材ではない)
このシナリオのメインは『悪魔のメルヘンカルタ』がテーマだが、登場する怪異は悪皿にババサレと有名な妖怪たちだ。
……といった豪華な面子だ。
その他にもシナリオの途中で怪談紹介パートがあり、ホラーへの造詣を深めることができる。
だが、どんなに豪華な怪異たちでも肝心なシナリオが怖くなければ意味がない。本作のシナリオで一番怖いのは……圧倒的に1話の『隙間女』だ。
私はホラーにおける自宅は終盤まで安全地帯でいてほしいという考えなのだが、『隙間女』はそんな私の身勝手な感情もお構いなしに初手主人公の自宅へ凸してくる。その上名作ホラーの『呪怨』を彷彿とさせるシーンのせいでその恐怖は本作の中ではトップレベルだ。
ただところどころシュールなシーンがあるのは……まあホラーにはありがちなことだ。
なら他はどうなのかと言うと、2話の『悪魔の人形』は怖くないわけではないのだが、やはり絵面的な弱さがありそこまで恐怖はしなかった。
3話の『人間シチュー』は怖いというよりかは気分が悪くなるものだった。
そして4話はかなり陰謀論に浸かった内容で恐怖はまったくない。……というより怪異がなんかシュールで少し笑ってしまった。
真1から逃げるな
4つのシナリオをクリアした後に解放される最終話は『死者からのメッセージ』だ。その内容はネタバレになるので言わないが、真1の内容を前提としたシナリオになっている。
過去作キャラが登場し、その人物と主人公の関係性はある程度語られるのだが、何故彼らと主人公が別れることになったのかという説明やその原因となった事件についてはほとんど語られない。
そのため真1のメインシナリオである『ブラインドマン編』をクリアしていないと、最終話のシナリオは100%楽しむことはできない。
更に言うと、開発側は真4を出す気が満々な様子で、その続編の重要なキャラとして真1のキャラクターや無印シリーズのキャラクターが登場している。
そのため、今からシリーズを追う場合は過去作にも触れておくのを強くお勧めしたい。
ちなみに私がボロクソに言ってる真1だが、メインシナリオに限って言えばそこまで悪いわけではないので別に不安視する必要はない。
最後に
実はシリーズで一番好きなシステムがこのデータベースだ。
シナリオ内で出てくる様々な単語の説明を読むことができるのだが、力が入っていてこれを読むだけでもかなり時間が溶ける。
集めるためには当然シナリオの全ての選択肢を試さないといけないので、そちらにも時間がかかる。ただどうせEDやCGの回収のついでに集まるので、興味を持ったら是非読んで見てほしい。
おしまい