めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

時を戻す主人公と時を止めてた開発(現在修正済)『アサツグトリ』

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あなたが夜明けを待つのなら、それを告げるのがわたしの願い

 

はじめに

 私は日本一ソフトウェアの信者です。

 そのため、本作の告知映像がTwitterの公式アカウントから発表された時にすぐ購入を決意した。

 本作のジャンルはタイムループ探索アドベンチャー。といってもよくわからないと思うので簡単に説明すると、本作は主人公の能力で時を戻し事件の発生を未然に防ぐミステリーだ。

 ちなみに私は特殊設定のミステリーが大好きで、ワクワクしながらプレイしたのだが……

 

 

 原因は不明だが、時々動作がめちゃくちゃ重くなることがある。

 一応完全にフリーズするわけではなくしばらく待てば動き始めるのがほとんどなのだが、セーブ中に起きると完全にフリーズして強制終了が確定する。

 すぐに直ると信じて、私は先に『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』をプレイしたのだが、2021年12月7日現在のバージョンは1.0.0、つまりは発売から一度もアップデートされていない。

 こうなると私のプレイ環境が問題なのかもしれない。いやでもSwitchのテーブルモードだからといって動作が不安定でも仕方ないとはならないのだが。

 

 2021年12月14日、Switch版アサツグトリのバージョン1.0.1が配信され、フリーズバグが修正された。そのため本作は今ならストレスフリーで遊ぶことができると思う。

 

あらすじ

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 主人公のヒバリが目覚めると、見知らぬ場所にいた。そして腕には謎のチューブが取り付けられている。

 部屋の外に出ると自分以外にも女の子たちがいた。

 ヒバリの他にいるのはマチネ、コマリ、フヅキ、エノ、スズ、トウカ、カリンの7人。これが本作のメインキャラとなる8人だ。全員に面識はなく、年齢もバラバラ。しかし、全員がこの場所に来た時の記憶がない。

 すると突然アナウンスが流れた。

 

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 生き残った最後の1人だけが助かる……というデスゲームものでありがちなやつだ。

 ただ、施設の探索をするが凶器になりそうなものは何も見つからない。そのおかげもあり特に殺し合いになることもなく共同生活が始まるのだが、ある日ストレスが限界を迎えたカリンが暴れて腕に付けられたチューブを切ってしまう。その結果、彼女は劇物によって亡くなってしまった。

 

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 ヒバリは部屋に戻った後、カリンが暴れていたのを止めなかったことを後悔し、過去に戻ることができたら……と願う。すると急に意識を失い、目覚めるとその日の朝まで時が戻っていた。

 これがヒバリに目覚めた能力だ。

 

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ひたすら歩いて捜査

 時を戻す能力でカリンの死を回避したが、その翌日に再び事件が発生する。

 

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 倉庫内でスズが倒れているのが見つかった。

 しかし、倉庫の扉は鍵がかかっていて入れない。仕方なく扉の窓を割って中に入るが……スズは既に事切れていた。

 倉庫の扉の鍵は施錠されていたが、鍵は倉庫内にあった。つまりは密室殺人である。

 

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 本作は特殊設定のミステリーだが、事件自体はかなり王道だ。

 密室殺人、自殺に見せかけた他殺、停電中の暗闇の中で行われる殺人……とワクワクするものになっている。

 

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 そしてその捜査のおおまかな流れとしては……

 

事件発生

 ↓

時を戻し被害者が亡くなるタイミングの把握

 ↓

もう1度時を戻して犯人を絞り込む

 ↓

更に戻して犯行を未然に防ぐ

 

 全4章構成でこの繰り返しを行うのだが、捜査や推理は素直に楽しい。

 

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 マップを歩き回り、必要な証言やアイテムを入手するのが基本的な流れだ。

 歩いたり行動をすることで時間が進むのだが、時間によってキャラたちは移動し、場合によっては時間が過ぎて証拠品を入手できないこともある。

 

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 そういった場合は時間を巻き戻して手遅れになる前に証拠を手に入れなければならないのだが、それが面倒ながら新鮮な気分でプレイすることができた。

 そして証拠を集め終えると推理パートに移り、状況を整理しながら真相に迫るのだがこれも楽しい。

 

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 特殊な能力を持つのはヒバリだけではない。

 本作で起きる事件のトリックや動機には犯人の持つ特殊能力が関わっている。

 これは人によって好みが別れる部分かもしれない。私は上でも書いた通り特殊設定のミステリーが好きなので、ワクワクしながら謎を解いていた。

 更にこういったシチュエーションでありがちな人が少なくなって楽しみが減るというのも、時を戻して事前に犯行を防ぐというテーマのおかげでそれがないのも良いポイントだ。

 

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 ただ、殺人を防いだとしても殺されそうになったという事実は変わらない。そのため最初の事件を解決した直後はかなり雰囲気がピリピリとしていてプレイしていて胃が痛くなった(心の弱いオタク)。正直2章は事件が起きて安堵するレベルでキャラ間の空気が最悪なので、そこだけは覚悟してほしい。

 しかし、そんな状況から育まれていく友情がめちゃくちゃ尊いというのも事実で、少なくとも不必要な描写ではないから何も言えなくなる。

 

最後に

 本作は百合要素もあり、百合好きにもオススメできる。

 

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 ただ、友情要素が強いため期待しすぎると物足りないという感想になってしまうかもしれない。

 シナリオは良いがバグやテキストの誤字のせいで若干惜しい出来になっているのはいつもの日本一と割り切れば十分楽しむことができる良ゲーなので是非気になった人はプレイしてみてほしい。

 

 ……割り切らなきゃいけない時点で良ゲーじゃない? ……それはそうだね。

 

おしまい