めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

二人で一人の探偵『探偵撲滅』中編

※2章のトリックと犯人のネタバレが含まれています

 

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幽霊と化した探偵

 1章のラストで命を散らしてしまった理想探偵。しかし他の探偵たちは彼女の犠牲のおかげで謎の機械から逃げることに成功する。

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 逃げ帰った無能たちは、改めて事件の解決を決意する。

 だが時間も遅いため、今夜は解散となった。

 理想が泊まるはずだった部屋で眠ることになった無能探偵だったが、彼の前に思いもよらない人物が姿を現す。

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 ……殺されたはずの理想探偵だ。

 無能は予想外の出来事に大声を出し、部屋に他の探偵たちが集まってくる。しかし、無能以外の人間には理想の姿が見えていない。

 初めは幻覚だと考えたが、理想は無能の知らない他の探偵たちが泊まる部屋の場所を知っていた。つまり、答えは一つ。

 ……現在無能探偵の前にいる理想探偵は幽霊だと。

 個人的には特殊設定盛りだくさんのミステリーは嫌いではない。しかし謎の殺人機械や幽霊といったリアリティラインがあやふやになってしまう要素は人によっては好みがわかれるかもしれない。

 

 

フラグでしかない罠部屋

 翌日、探偵たちは屋敷からの脱出を目指して改めて調査を開始する。

 そして二階を調べていると、無能たちは奇妙な部屋を見つける。二階は何故かどの部屋も扉の建てつけが悪いのだが、その部屋は扉はロープを使って開きっぱなしになっていた。

 しかし、この部屋は罠だった。扉が閉まると床から針が飛び出す仕組みになっていた。何のために……?

 

 絶体絶命のピンチだったが、『魔界探偵』の観察眼によって九死に一生を得る。

 罠部屋には木製の椅子とテーブルが設置されていて、何故かそれらはボルトで位置が固定されている。普通に考えれば罠で家具は破壊されてしまう。しかし家具は壊れていない。つまりこの上にいれば針は来ないという理屈だ。

 そしてまた罠が作動しないように、扉には木片で作ったつっかえ棒を設置した。

 

 なんとか罠を回避できた探偵たちだったが、私はこのシーンを見ながらこう思っていた。

(多分この後ここで誰か死ぬんだろうなぁ……)

 そしてその予想は的中することになる。

 

 

第二の事件

 数日後、トラブルが発生する。冷蔵庫が何者かによって荒らされていたのだ。

 無能たちは今後食事をどうするか考えていたが、罠部屋で隠し通路を見つけたと『渋谷探偵』が戻ってくる。

 しかし、設置した監視カメラで罠部屋を確認すると、そこにいた魔界探偵の様子がおかしい。彼は明らかに苦しんでいた。

 そして更に不可思議なことが起きる。誰も触れていない扉がひとりでに閉じて、罠が作動したのだ。

 無能たちは魔界を救うために罠部屋に向かうが、そこにあったのは既に罠の針によって身体中を貫かれた無惨な遺体だった。

 こうして探偵たちはオカルト絡みの事件を数多く解いてきた魔界探偵を殺害した『透明人間』を捜すことになる……。

 

 

ちょっと問題のある捜査パート

 

 捜査パート自体はとても楽しめて好きなのだが、2章は少し問題がある。

 2章からはマップに罠が出現して、ターン終了時そのマスの上に探偵がいると問答無用でゲームオーバーになってしまう。

 罠は一定の数値で解除することができるのだが、数値の足りない探偵が勝手に突っ込んでゲームオーバーになるという事態が何度も起きてしまった。

 介入可能な探偵なら行動を指示して回避することもできるのだが、介入不可だから質が悪い。そのため捜査を後回しにして探偵を一人サポートに回さなくてはならないのだが、そのせいでテンポが悪くなりストレスを感じてしまった。

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※私の推し探偵

 そのせいで収集品を集めることまでに手が回らず、全回収ができないまま捜査を終えてしまった。

 

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魔界探偵に毒を盛った方法

 捜査の結果、扉付近の床が水で濡れていたこと、監視カメラではつっかえ棒の位置が死角になっていたこと、二階扉は蝶番を使って意図的に建てつけが悪いと刷り込まれていたこと、そして何故か二階のトイレから毒が検出されたことが判明する。

 そして無能は犯人が事件直前に魔界探偵と一緒にいた『渋谷探偵』であることを解き明かす。

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 どうやって魔界探偵に毒を盛ったかだが、その方法は至極単純。渋谷探偵は自身の付け爪に毒を塗って魔界に抱き着いた拍子に刺したのだ。

 その後トイレで付け爪を処理したため、トイレから毒が検出されたというわけだ。

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 更に『透明人間』のトリックも単純だ。渋谷は監視カメラの死角を利用して、つっかえ棒を氷と入れ替えた。

 そして魔界探偵が毒で苦しみ始めた直後、氷が解けてつっかえ棒を失った扉が自動的に閉じる。その結果罠が作動し、魔界は針で貫かれてしまった。

 

 

屋敷からの脱出

 犯行を認めた渋谷探偵は、自身が『八つ裂き公』の協力者であることを明かす。そして毒の煙を巻いて自ら命を絶ってしまった。

 屋敷全体に毒が充満すれば全滅してしまう。そこで無能たちは魔界が生前に見つけた隠し通路を使って脱出する。ここで2章は終了だ。

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 これも予想通りだったがやはり犯人も章の最後に脱落してしまうようだ。

 複数の探偵を操作して証拠を集める捜査パートが一番楽しいので、探偵の人数が減ってしまうことには多少の不安を感じてしまった。

 しかし、そんな不安が些細に感じるほどとんでも要素が増した事件が3章以降では起きるのだった……。

 

 

つづく