めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

多分百合ゲー『素敵な彼女の作り方』

追記:R18パッチを導入したことでsteam版でもCGコンプリートが可能でした。

 

はじめに

 私は百合が好きだ。しかしそこまで過激派ではない。ただし間に挟まろうとする男は〇んでくれ。

 だからこそ女の子が過去に男と付き合っていようが、たとえ処女じゃないとしても特に問題はない。私にとっては現在の女の子二人の関係性が最重要であり、過去なんてどうでもいいのだ。

 なのでこのゲームの問題点もそこまで気にならなかった。しかし、問題があるとすれば事前に公式が『男とのそういったシーンはない』と明言してしまったことだろう。

 実際には主人公の女の子は過去に男性から性暴力を受けていたという設定があり、そのことを示唆するだけではなく、その時の様子を撮影した映像をヒロインが見てしまうというシーンがある。

 個人的にはあまり問題ないのだが(それ以外に気になるところが多すぎて)、やはり公式の発言を信じて購入したユーザーもいたことだろう。そういった点では、このゲームの最大の問題と言えるだろう。

 そのため、心の弱い百合オタクは購入を控えることをおすすめする。

 

f:id:me-rry:20210424211602p:plain

※そもそもタイトル画面の時点で不穏

  デフォ言語は日本語じゃないので、まず初めに設定画面を開いて言語の設定を忘れないように。私は戸惑いながら本編を始めてしまったので。

 あとこれはSteamで購入したのだが、他の販売サイトがFANZAなので多分未成年は買っちゃダメなやつだよ。

 

 

あらすじ

 メンヘラの主人公すみれはいつものように病み垢で構ってツイートをしていると、女性を名乗るアカウントからDMが送られてくる。すみれはそのアカウントに徐々に心を開いていくが、実際にアカウントの主に会ってみると、複数人の男性による釣り垢だった。

 男性たちに無理矢理ホテルに連れていかれそうになったが、そこをヒロインであるなずなに助けられる。

 なずなの容姿にすみれは過去のことを思い出し嘔吐、男性たちはそれを見るとすぐに撤退した。しかしなずなもどこかに行ってしまい、すみれは病みながら帰宅する。

 帰宅後、オンラインカウンセラーのような存在の『先生』にそのことを打ち明ける。

 先生のアドバイスもあり、すみれは翌日も大学に行くが、講義で偶然なずなと再会してしまう……。

 

f:id:me-rry:20210424213202p:plain

※可愛い

 

メンヘラが可愛い前半パート

 前半は純粋な百合を楽しむことができる。

 どうしようもなくヘラっていてめんどくさいすみれに、なずなは何度も優しい言葉を語りかける。

 すみれはそんななずなに惹かれ、ついには彼女で淫らな妄想もしてしまう。先生に相談しつつ、二人の関係性がドンドン深まっていく前半パートは本当にずっとニヤニヤしていた。

 

f:id:me-rry:20210424213631p:plain

 

 私自身もかなりメンヘラな自覚があるのだが、だからといってメンヘラキャラに同族嫌悪しているわけではなく、逆にめんどくさい女の子の方が好みだ。

 なずなに対してどう接したらいいのかわからず、それでも彼女と一緒にいたいという想いを抱えている前半パートのすみれは本当に可愛かった。

 この言い方でわかると思うけど後半のこいつメンヘラというかヤンデレというか……、マジでヤバイやつなので。

 

 

まだ可愛いメンヘラな中盤パート

 二人は徐々に仲良くなるのだが、すみれの想いはドンドン暴走していく。

 なずなの友人に嫉妬したり、彼女のスマートフォンから連絡先を削除させたりする。よくありがちな束縛系メンヘラ彼女だ。

 

f:id:me-rry:20210424214631p:plain

※このシーンが一番やっててニヤニヤした

 これは人によって感じ方が変わると思うし、なんなら多くの人がすみれに対して悪い印象を持つだろう。

 しかし私は上にも書いた通りメンヘラが性癖なので、恐らく中盤で一番盛り上がっていたかもしれない。

 ただ後半からは展開が斜め下の方向へ飛んでいくので……まぁここが私にとってのこの作品のピークです。

 

 

問題点が多すぎる後半パート

 色々とあり、二人は同居生活をすることになるのだが、なずなの母親が襲来したことがきっかけで、すみれは完全に暴走してしまう。

 なずなを隠し撮り写真で脅したり、首輪を付けたりとやりたい放題だ。なずなはすみれを怒らせないよう、そして一種のストックホルム症候群のような感情で彼女と一緒に過ごしていた。

 最終的になずなは壊れ、すみれはそんな彼女では満たされなくなっていた。そしてすみれは衝動的に家を飛び出すと、偶然女性とぶつかってしまう。

 彼女が新しい標的を見つけたところで、物語は幕を閉じる。

 

 ……一応エンディングは他にもあるのだが、スタッフロールが流れるのはこのエンドだけである。つまりこれがトゥルーエンドということなのだろう。

 別に胸糞が嫌というわけではないのだが、後半パートに入ってからは矛盾点なのか考察ポイントなのかわからない箇所がいくつかある。

 

・すみれは大学には在籍していないって明かされるけど、なずなと出会う前は何してたの?

・大学通ってないのに奨学金で生活してたの?

・『先生』の選択肢がバグってたりコードがでる演出は何?

 

 三つ目にはきちんとした理由があり、詳しく調べれば別のルートに行けたりするのかもしれない。……もしかしたら『君と彼女と彼女の恋。』のような一種のメタネタなのかもしれない。

 正直に告白すると私はこのゲームを完全にクリアしたという自信がない。というかCGも全て埋まっていない。だがsteamの実績は全て解除したし、選択肢も全て選んだのでsteam版では見ることのできないCGなのかもしれない。そういうことにしておいてくれ。(2021年4月24日)

 

 R18パッチを導入してCGコンプリートしてきました。基本的に追加されるのはバッドエンドのラスト、……もしかしたらこれバッドエンドを楽しむゲームなのではという考えに至った。

 トゥルーエンドよりも比較的平和なエンドも多く、私が勝手に抗うつ剤エンドと呼んでいるバットエンドはなずなが酷い目に遭うことなく終わるため、多分このゲームの唯一のハッピーエンドなのかもしれない。

f:id:me-rry:20210425174843p:plain

※もしかしたら神ゲーかもしれない。

 

 

最後に

 私は恋愛ゲームは純愛ものの方が好きで、あまり胸糞と呼ばれるようなものはやったことがない。なのでこのゲームの評価は5000円以上出して買っていたらキレてたと言わざるを得ないのだが、胸糞好きな人はぜひやって感想を聞かせてほしい。

 ただ一つだけ好きなエンディングがあり、バッドエンドなのだが共依存に陥った二人が共に堕ちていく様子にほっこりしてしまった。

 私にとってはそれがトゥルーエンディングであり、すみれがなずなを捨てるエンディングは認められない。ペットは最後まで責任を持とうね。

 まぁ多分ラストのシーンこそが、タイトルの『素敵な彼女の作り方』を回収している場面と言えるのだが、やはり個人的には納得いかない。

 

 こうして調査員はsteamを旅立ち、FANZAへと向かった。

 

おしまい