エヴァンゲリオン履修RTA:序 『新世紀エヴァンゲリオンTVシリーズ』
はじめに
私はこの年になるまで特にエヴァという作品と接点を持つことなく生きてきた。
TVシリーズが放映開始された1995年私はまだ産まれておらず、新劇場版が始まった2007年の時も小学生で、興味を持つことはなかった。
今でもエヴァという作品に強い印象を抱いた出来事として、小学生の時、昼休みにクラスの男の子たちが共用PCを使ってYouTubeで残酷な天使のテーゼのドナルドMAD(恐らくニコニコからの転載)を見ていた光景を強く覚えている。
そして2021年、度重なる延期を経て遂に完結作である『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』が公開された。
その少し前、テレビでも過去作が放映され、私は作業をしながらだがそれを見ていた。その結果エヴァという作品に興味を持ち、シリーズを通して履修することを決意した。
本当は新劇場版をもう一回見る程度に考えていたのだが知り合いに聞いたところ、シンを楽しむためには旧作も見ておいた方がいいと言われたのでそれに従い最初から見ることにした。
……そのためだけにネットフリックスに1500円払ったのは自分でもバカだと思う。
シンジ君人生ハードモード
あらすじは調べればすぐに出てくると思うので、私が感じたことを語っていく。
最初に感じたのは主人公であるシンジ君を取り巻く環境の劣悪さだ。
「逃げちゃダメだ」や「目標をセンターにいれてスイッチ」といった台詞は作品を見たことのない人間でも耳にしたことがあるだろう。私もパロディを見かけた記憶がある(主にヘボット!で)。ポジティブな台詞でないことは元から知っていたのだが、予想よりも辛い状況で発した言葉だった。
14歳という多感で不安定な精神状態がいきなりエヴァンゲリオンに乗せられ、大人たちの策略の中でもがくことになる。
何度も逃げ出すことができたのだが、その度に彼は逃げることができず再び初号機に乗ることになってしまう。
そんな彼が最後に自分を認めて心から笑うことができたのは、最悪な結末の中で唯一幸福な点なのかもしれない。……本当にバッドエンドにもほどがあるのだが。
意外と喋るTV版ゲンドウ
ゲンドウといえば、寡黙で机の上で指を組んでいる姿をイメージする人が多いだろう。というか私もそんなイメージだった。
そのイメージが大きく変わることはないのだが、TVシリーズではかなり人間らしい行動も多かった。というか良くも悪くもQのサイクロプスおじさんの印象が強すぎる。
ゼーレにも隠している目的があり、そのために息子であるシンジ君も容赦なく利用するのだが、その内容は正直TVシリーズだけでは理解することができなかった。
……旧劇場版かシンまで見ても理解できるだろうか?
一応矢印は向いてるヒロインたち
オタクの間では「綾波派?アスカ派?」が犬猫派論争と同等にポピュラーなイメージがある。だからこそ当然この作品のヒロインは綾波レイと惣流・アスカ・ラングレー(新劇場版では式波・アスカ・ラングレー)だと思っていた。一応間違いではないしシンジ君に好意を抱いている節はあるのだが、二人が彼に向けている矢印の間には別の男が挟まれている。
綾波はゲンドウ、アスカは加持だ。Wikipedia覗いたらアスカと加持が肉体関係持ってると書かれていて変な声が出た。CV山ちゃんのイケメンは最強。
シンジ君にまっすぐ好意を向けているのは渚カヲルだけで、そりゃカヲシンが流行るわといった印象を抱いた。1話しか登場していないというのに、私の最推しカップリングがカヲシンに塗り替えられてしまった。
終盤の衝撃
序盤中盤は時々難解なシーンがあるのだが、それでもある程度は理解することができた。だが終盤、カヲルが死亡してからは完全に脳が理解することを辞めてしまった。
理解できたのは人類補完計画が発動したのと、その起爆剤として心を閉ざしてしまったシンジ君が使われたことくらいだ。
公式学パロやおめでとうといったシーンは今でこそ有名だが、当時リアルタイムで見てた人たちはあれを見てどんなことを思っていたのだろう。
一応「世界は自分の捉え方によって変わる」や「自分はここにいてもいい」といったメッセージ性は理解できるのだが、やはりそれを出力したやり方が狂っているとしか言いようがない。
旧劇場版を見れば人類補完計画についても理解することができるのだろうか?
現状感じてる疑問点
・ゲンドウって結局何がしたいんですか?
・アダム、リリス、リリンの違い(これは私が単に見逃してるだけかも)。
・人類補完計画ってなんだよ!!
最後に
今でも続く人気作品であることは実際に作品を見て理解することができたのだが、よくわからないけど面白い、だけどよくわからないといった感想を抱いた不思議な作品だった。
とりあえず知り合いに言われた通り次は『Air/まごころを、君に』を見ようと思っているのだが、少し調べたら『DEATH(TRUE)2』という作品が出てきた。
これは総集編映画っぽいのだが一応見てみようと思う。
つづく