めるの備忘録

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決定版ってなんですか?『ファイナルソード Definitive Edition』

 半年前、とあるゲームが話題になった。

 その名は『ファイナルソード』、元々はスマートフォンの有料アプリなのだが話題になったのはそのswitch版だ。

 ある場所の村で流れるBGMがゼルダの伝説シリーズの『ゼルダの子守唄』と酷似しているとネットで拡散され、switch版は配信開始から四日程で配信停止となった。

 

 それから半年経った2021年1月21日、ファイナルソードは『ファイナルソード Definitive Edition』となって新たに配信された(配信停止になった方とは別タイトル扱い)。

 Definitive Editionとは決定版という意味なのだが、このタイトルを見た私は「面の皮が厚すぎる」と思わずツッコミをいれてしまった。

 

 私は無印版発売当時に買おうと思っていたのだが、1890円をドブに捨てることを躊躇っているうちに配信停止してしまったという苦い過去から、決定版は再販のニュースを見てすぐに購入した。

 スクリーンショットやプレイ動画を見てクソゲーと言うのは簡単だ。しかし実際にプレイすれば印象が変わるかもしれない。そう信じてプレイを開始した。

 

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決定版で色々調整されていた

 ファイナルソードはBGMだけでなく、独特な当たり判定も有名だ。無印では『ファイナル判定』と呼ばれているその当たり判定のせいで、プレイヤーは攻撃するたびに当たることを祈っていた。

 しかし決定版では『ファイナル判定』がかなり修正されていて、独特な当たり判定に悩まされる心配はほとんどなくなった。

 

 そして翻訳ミスもかなり修正されていた(所々残っているが)。

 

 更に、これは体感なのだが、敵のアイテムドロップの確率もかなり無印と比べ上昇しているような気がした。

 レベル上げ中に薬草がかなりドロップして、中盤からはお金を一切気にせずにプレイすることができた。

 

 最後にこれが一番嬉しかったのだが、凍結デバフの仕様が変わりハメ殺しされにくくなっていた。

 それでも複数体に囲まれた状態で凍結攻撃を喰らったら死を覚悟しなくてはならないのだが。

 

 

決定版でも変わらなかったよ

 遊びやすくなった部分もあるのだが、それはそれとして無印からまったく調整されていない部分、つまり調整ミスなどではなくれっきとした仕様だと判明したものもいくつかある。

 

・敵の硬さ

 後半にいくにつれて、ボスどころかザコ敵すら体力が多く、かなりだるい。ファイナルソードはどうしても長時間レベル上げをしないと勝てないような作りになっているのだが、ザコ1体すら倒すのに時間がかかり疲れとストレスが溜まっていく。

 無印版を動画で見た時流石にこれは調整ミスだろと思っていたのだが、決定版でも特に何も調整されなかった辺り、これは仕様らしい。……正直テストプレイしたのか疑っている。

 

・動く足場

 これも動画で見た人が多いだろうが、終盤のダンジョンに出てくる動く足場がかなり変わった仕様をしている。

 普通のアクションゲームで動く足場が出てきた場合、プレイヤーがその上に乗れば自動的に足場と一緒に動くだろう。しかし、ファイナルソードに出てくる動く足場は、足場の移動に合わせてプレイヤーも移動しないと下に落ちる仕組みになっている。

 これは決定版でも健在で、仕様というより恐らく開発側の技術不足なのだろうと私は無理矢理納得することにした。

 

・MP回復アイテムの希少性

 ファイナルソードにはMPを消費して発動する魔法がある。そしてMPを消費するということは、それを回復するためのアイテムがあるのは当然なのだが、そのアイテムがザコ敵からのドロップか宝箱からしか手に入らないという狂った仕様になっている。

 そうなると気軽にMPを回復することはできず、レベル上げ中体力はまだまだ余裕だかMPが尽きたので帰還というのが何度もあり、かなり面倒だったというのが本音だ。

 

 

実際にやってみた感想

・レベル上げをしてボスを倒してレベル上げ

 聞いてた以上にレベル上げに時間がかかる。

 私は一周クリアするのに十数時間かかったのだが、その半分以上がレベル上げの作業をしていた時間といっても過言ではない。

 昨今のゲームのように気軽に経験値が手に入るような場所やアイテムもなく、大量の経験値を落とすザコ敵もいない。ただ淡々と少ない経験値を落とすザコを斬り続けるだけだ。

 ご丁寧にファイナルソードには適正レベルのシステムがあり、適正から大きく離れたザコ敵からはほとんど経験値を入手できなくなっている。そして先程も書いたが終盤は硬くて面倒な敵ばかり、適正レベルのせいでそいつらを何十体何百体と狩る苦行を味わうことになる。

 

 それでも、正直私は昔のRPGや昨今のソシャゲでは必須のレベル上げ作業が割と好きな人間なのでただザコ敵を狩るだけなら苦痛ではなかった。

 しかし、MPが尽きて帰還の繰り返しがだるくて仕方がなく、長時間のレベル上げ作業はかなり苦痛だった。

 

・スキル最強卍

 ボスを倒すごとに解放される、switch版限定のアクションのスキル攻撃が本当に強い。

 スキル攻撃のモーション中は無敵で(デバフは受ける)、意味のわからない動きをする敵でも無理矢理ダメージを与えることができる。そして多段ヒットするのでダメージもかなり大きい。

 逆にスマホ版にもあるアクションの防御やパリィはかなり弱く、後半では全く使うことがなかった。防御するくらいならスキル攻撃で無理矢理回避したほうが良い。

 

 

個人的に印象に残ったボス

 

良ボス編

 

・デーモン

 恐らくムービーで主人公を突き飛ばすシーンが有名だろう。

 その後ボスとして戦うのだが、ファイナルソード内でも屈指の良ボスと言える。

 まず理不尽なザコが湧かない、攻撃方法も豊富と戦っていて楽しい作りになっている。そして動きが機敏で普通に攻撃を当てようとしたらかなり苦労するのだが、前のダンジョンで手に入れた氷魔法を使うことで楽に攻略することができる。

 これ以降はほとんどがクソボスの部類に入るため、余計に印象に残るボスであった。

 

ブラックドラゴン

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  硬い、モーションが理不尽などかなりのクソボスなのだが、ラスボスなので今まで貯めてきたアイテムを躊躇わずに使うことができる。

 そして頭にメテオを当てることで隙を作ることができるので、他のクソたちと比べたらかなり楽に攻略することができる。

 

 

クソボス編

 

・ヘルウォーム

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 御存知ファイナルソード屈指のクソボス。

 硬い、予備動作のない攻撃、ザコ敵産み、よくわからない当たり判定とストレスの溜まる要素のバーゲンセールである。

 現在2周目攻略中だが、正直もう一度こいつを倒すのかと思うとげんなりしている。

 

・アンデッズ3連戦

 雪原に向かう途中で突然現れるボス。

 無限湧きし続けるザコ敵を倒し続けるシステムのボスなのだが、囲まれると一気に殴られ体力を削られてしまう。だがそこまで強い敵ではない。……1回だけなら。

 なんと補給なしで3回も同じボスを倒さなくてはならないクソ仕様である。

 正直やってて一番つまらないボスだった。

 

ワイバーン

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  最強武器を手に入れるために倒さなくてはならないボス。

 凍結ハメが非常にうざい。仕様変更でハメられにくくなったのだが、こいつだけは例外である。遠距離ブレスによる凍結とプレイヤーから逃げるように組まれているAIのせいで何度もコントローラーを投げそうになりながら攻略した。

 

ブラックドラゴン

 悪い やっぱ辛えわ。

 

 

最後に

 2000円弱をドブに投げた価値はあるゲームだったが、正直ファイナルソードより出来が良く2000円前後で買うことのできるアクションゲームはいくらでもある。

 それなら迷うことなく後者を買うべきだと私は強く勧めたい。

 

 じゃあ私は2周目特典の女性主人公でまたドラゴン退治に向かうので。

 

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  2周目主人公のきめつのやいばちゃん。1周目主人公の名前はときのオカリナにしていた。

 

おしまい