めるの備忘録

ゲーム、映画、本の感想を書きます。

悪くはないけど良くもない『100日間生きたワニ』

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はじめに 

 Twitterで話題なった作品『100日後に死ぬワニ』の映画版である『100日間生きたワニ』を観てきました。

 荒らしレビューに映画館への虚偽の予約、公開前から荒れ放題だったがそれで話題になっても興行収入には繋がらないんだろうなと思うと虚しくなってしまう。

 プペルの時もそうだったのだが、荒らしをしている人間が「叩かれている方が悪い」と言って好き勝手やるのは、小学生のいじめっ子が「いじめられる方が悪い」と言っているのと同じようなものでその低レベルさにげんなりしてしまう。

 

 批評したかったらまずは映画を観ようね! 荒らし行為は論外なので本当にやめてくれ。

 

 

60分に詰め込まれた単行本一冊とオリジナルパート

 本編は60分と短めだが、さらにその中でワニが死ぬまでの100日間パート、そしてワニが死んでからの100日後パートに分かれている。

 

 100日間パートでは原作のエピソードをいくつか拾い、それを映画用にアレンジしている。100日後パートでもかなり尺稼ぎ的なシーンはあるのだが、やはり100日間パートは尺稼ぎの頻度が尋常ではなく、一々キャラの会話に独特な間を作って60分の尺を埋めようとしている。

 原作でも独特な間の使い方はあったので、ある程度は原作再現として許容できるのだが、先輩ワニとのエピソードではそれが更に酷くなり、流石に観ていて退屈してしまったのも事実だ。

 

 100日後パートでは、原作ではほぼ描写がなかったワニがいなくなった後のネズミたちの様子が描かれている。ワニの死がきっかけで集まることがなくなってしまったネズミたちが、アニオリキャラのカエルとの交流で大切な人の死を乗り越えるというストーリーなのだが、マジでカエルが厄介な存在すぎる。

 ワニがどちらかと言えば陰なのに対し、カエルは陽(しかもウェイ系的なノリ)。そのギャップとカエルのウザ絡みでどうしても不快感を覚えてしまった。ただ彼にも事情があり、ラストでは好きではないが嫌いでもないキャラになった。

 

 色々と騒がれていた作画についてだが、特段よかったわけではないのだが、別に悪くもない出来だった。

 そもそも動きの少ない作品なわけで、それをアニメ化したのだから映像でも動きが少ないのは当然だ。ここでいきなり『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』のバトルシーンのようにヌルヌル動いても、それはそれで問題がある。

 ならわざわざ映画化する必要あった? と聞かれると……まぁうん……。

 

 

最後に

 本作を観た率直な感想を言うと、タイトル通り「悪くはないけど、良くもない」という感じだ。

 甘めに採点して100点満点中ギリギリ50点くらいかなという出来なのだが、これ本来なら2000円払って見てたんだよな……と考えるともう少しもったいないことをしてしまった気分になる。

 もしかしたらもっと有意義な2000円の使い道があるかもしれないが、少なくともTwitterで言われているようなドブに捨てたり燃やしたりする方がマシというのはあまり信じず、本作が気になった人は是非見てほしい。そして先輩パートの虚無さに震えてくれ。

 

 

おしまい

仕事から帰ってきたらチートスがトレンド入りしてた話

dragonage-comic.com

 

 なんで…どうして……。いやまあ連載中止が妥当かどうか聞かれるとあんまり否定できないんだけど。

 2021年6月28日、原作河本ほむら先生でその内容がいろんな意味で話題になった作品『異世界転生者殺し -チートスレイヤー-』の連載中止が発表された。

 

me-rry.hatenablog.com

 

 私もこうしてネタにしてしまった以上偉そうなことは何も言えないが、実はそれなりにショックを受けていた。

 たしかに問題点の多い1話なのだが、2話以降どうなるのかというワクワク感はそれなりにあった。『賢者の孫』がモチーフのキャラクターをどう倒すのかと、ドラゴンエイジ8月号の発売を楽しみにしていた。

 

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 物理さんのパロディもやってるけど一応孫のパロディキャラです。

 シン=ウォルフォードのパロディであるルイ=クロフォードと出会うところで1話は終了したのだが、その続きを読むことは永遠にできない。……せめて孫をどうやって倒すつもりだったのか教えてほしい。

 

 ただドラゴンエイジ編集部からのお知らせを読んでいると少し疑問を抱いてしまう。

 

 ご指摘を受け、編集部としてあらためて検証いたしましたところ、キャラクターの意匠、設定等が他作品との類似性をもって表現されていること、特定の作品を貶める意図があると認められるだけの行き過ぎた展開、描写があること、またそれらに対する反響への予見と配慮を欠いていたことなど、編集部での掲載判断に問題があることを認識し、連載中止の決定に至りました。

 

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 ……お前マジで言ってるのか?

 ドラゴンエイジにコミカライズ版が連載している『この素晴らしい世界に祝福を!』のほぼまんまなパロディキャラを出しておいて「確認したら似てました」 は無理があるとしか思えない。他にも角川から出ている作品のキャラが何人もいるわけだしそれに気づかなかったとは思えない。

 炎上上等! 何を言われようが内容でねじ伏せる! というスタンスなのかなと思っていたので正直この言い訳には少し落胆してしまった。これは編集部にも問題があるパターンかもしれない。

 

 それとこの騒動でチートスレイヤーと連載中止がトレンド入りしていたのだが、こんな悲しいトレンド入りは求めていなかった……。

 これからしばらくドラゴンエイジを購読するつもりでいたのだが、正直どうするかかなり迷っている。

 

 

 付録があんまりいらなかったり値段が少し高かったのでkindleで購入したけど、とりあえず供養の意味も込めて紙版でもドラゴンエイジ7月号を買いたいと思います。

 

おしまい

まさかの続編発表で発狂した百合オタク『じんるいのみなさまへ』

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はじめに

 2021年6月17日、Twitter日本一ソフトウェアの百合ゲー情報を発信するかなりマニアックなアカウントから発表があった。

 

はじめに。

一昨年の『じんるいのみなさまへ』、昨年の『夜、灯す』 に続き今年も百合の世界に微力ながら貢献できることになりました。

 

関係者の皆様、そして、この『母なる星』で共に過ごす百合ファンの皆様に心から感謝申し上げます。

 

Twitterから引用

 

 これを見た時の私の反応は「あっ、今年も新作出るんだ」という少し淡泊なものだった。

 『母なる星』という少し痛いキーワードから今回はSF百合でもやるのかな? と考えていた私は数十分後発狂することになる。

 

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 見覚えのあるイラスト、荒廃した世界、そこを生き抜く女の子たち、そして池袋……。タイトルは『こちら、母なる星より』

 午後3時に発表された新作タイトルを見た私の脳内で回路が一瞬で繋がり、一つの解を導きだす。

 

 2021年10月28日に日本一ソフトウェアから発売される新作ゲーム、『こちら、母なる星より』は明言はされていないものの、十中八九2019年に発売した『じんるいのみなさまへ』の続編なのだ。

 

 

小説版が履修には最適だと思います

 発表を見た私はしばらくの間狂ったようにツイートをしていた。

 

 ……絵に描いたかのような限界オタクである。

 これに対してフォロワーからの反応は

「じんるいのみなさまへ続編で喜ぶ人間、レア度が高い」

「じんるいのみなさまへってクソゲーじゃないの」

と散々なものだった。

 

 たしかに、『じんるいのみなさまへ』はお世辞にもクオリティの高いゲームだったとは言えない。

 一目で予算がないとわかる3Dグラフィック、最低限こなすだけでクリアできてしまうサバイバル要素、不親切なマップ(これはアプデで解消された)……とたしかにクソゲー呼ばわりされるのも納得はできる。

 

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 しかし、私がこのゲームを神ゲーだと思っているのは単に逆張りオタクをしているのではなく、シナリオの尊さがそれらの不満点を上回ったからである。

 過酷な状況でも明るく過ごす女の子たち、そんな彼女たちに幾度と襲いかかるトラブル、それを乗り越え深まる友情。その結果「あとは結婚するだけ」というセリフが出てくるまで関係は発展していく。

 

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※私の推しカプです。

 

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 勿論シナリオが良かったからクソゲー扱いするな! と言うつもりは毛頭ない。シナリオ以外の要素も含めて一つのゲームであり、シナリオ以外がチープなのは私も感じている。

 だからこそ、私は小説版の『じんるいのみなさまへ -わたしたちの場所-』をオススメしたい。

 

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 小説版のストーリーはゲームの通常シナリオをベースにDLCシナリオキャラの朱香を混ぜた半分オリジナルのものとなっている。

 ただ小説版はゲームと違い、細かく分類した際の百合であり、恋愛要素よりかは友情要素が強い。なので百合初心者への入門としてもオススメなのだが、ゲームを先にプレイした私(百合豚)からすると少し物足りない部分もある。

 というか一番の推しカプの永里那と幽々子のめちゃくちゃ尊いシーンであるトランシーバーでの惚気がカットされているのが本当に悲しい(以前読んだインタビューでスタッフもお気に入りのシーンだと言っていた気がする)。

 

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※こんなんどう足掻いても結婚じゃん

 

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最後に

 『こちら、母なる星より』は2021年10月28日に発売する。当然購入するのだが、私は『じんるいのみなさまへ』で後悔していることがある。それは推しカプの店舗特典を入手できなかったことだ。

 発売前なので当たり前なのだが、カップリングがどうなるのかわからなかった私は適当に近場の店舗で予約してしまった。

 その結果手に入れたタペストリーに描かれているのは推しカプじゃないどころかシナリオ終盤で別々の女の子とくっつく女の子二人だった。

 今回はそんな後悔をしないためにも、店舗特典は慎重に吟味しなくてはならない。

 

 

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※まさかの続投。勿論オープニングもななひらさんが歌う。

  それと『じんるいのみなさまへ』にも出演していたななひらさんが続投していたり、同社の『探偵撲滅』にVTuberの鈴木あんずさんが出演していたりと、日本一ソフトウェアには確実にその手のオタクがいるよね。まぁ二人とも演技上手かったし文句はないけど。

 

nippon1.jp

 

おしまい

賭け狂ってはいないけど作者の倫理観は狂ってる『異世界転生者殺し -チートスレイヤー-』

※作品の評価はともかく、それを理由に作者個人を攻撃していい理由にはならないので、そこら辺はよろしくお願いします。あと叩くならその前に実際に読んで欲しい。

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 本当は単行本出たら買って感想書こうかなって思ってたけど、1話を読んで思うところがあったので書いています。

 いつもよりお気持ちマシマシ。

 

 

はじめに

 異世界に転生した主人公がチート能力で無双する、所謂なろう系が流行り始めてから気づけばそれなりに年月が経っていた。

 私の好きなWeb発の小説は『異修羅』です。なろう系ではないけどマジでおすすめです。最強VS最強みたいなシチュエーションで燃えるオタクは是非買って読んでくれ。

 

 先日、いつものようにTwitterを眺めていると気になるツイートが流れてきた。

 漫画雑誌の新連載の告知なのだが、その原作者がなんと河本ほむら先生。アニメ化、そして実写映画化もされた大人気漫画『賭ケグルイ』の原作者でもある人だ。

 新連載の漫画のジャンルは異世界もの。河本先生がどんな作品を生み出したのか興味が湧き調べてみると不穏なことが書かれているのを見つけた。

 

『リゼロを始めとする有名なろう小説のキャラが登場する』

 

 人気ライトノベルのキャラがそのまま登場してしまったら大問題だ。流石に登場すると言っても軽いパロディの範疇だろう。そんな私の甘い考えをやつらは簡単に打ち砕いてきた。

 ネタバレありなので是非ドラゴンエイジ2021年7月号を購入して読んで欲しい。この怒りを誰かと共有したい。

 

 

本当にそのままなキャラクターたち

 村に住む青年リュートは転生者で構成されたギルド『神の反逆者』に憧れていた。

 転生者たちが魔王軍と戦っているおかげで、世界の平和は保たれている。しかし、ある日突然リュートの住む村が焼かれ、彼の幼馴染も殺されてしまう。

 その犯人は『神の反逆者』の一人であるルイ。リュートは憧れていたはずの存在から全てを奪われてしまった。

 

 そして彼らが転生者ギルド『神の反逆者』のメンバーだ!

 

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 ……笑うしかねぇよ。

 一人ずつ元ネタを解説していきます……。

 

『アンデッド・キング』ドーン・ウィル・デッド

原典:『オーバーロード』より アインズ・ウール・ゴウン

 

異世界レストラン』四条雪子

原典:『異世界食堂』より アレッタ(このキャラは異世界に転生していないし、そもそも異世界無双系の作品ではない)

あんまり知らない作品だから間違ってるかも。

 

『ネームドスライム』ロロ=センディガー

原典:『転生したらスライムだった件』より リムル=テンペスト

 

『幼い悪魔』アナスタシア・メロクヴァ

原典:『幼女戦記』より ターニャ・フォン・デグレチャフ(まぁ異世界転生っちゃ異世界転生か……)

 

『悪役令嬢』イメルダピニャータ

原典:『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』より カタリナ・クラエス(これも異世界で無双したりはしない。野猿のカリスマ性はチートレベルだけど

 

『堕女神』フレア

原典:『この素晴らしい世界に祝福を!』より アクア

アクアは転生者じゃないじゃんとかそういう話は置いといて、ちょっと見た目も含めて色々そのまんますぎない?

 

『神の手違い』ルイ=クロフォード

原典:『賢者の孫』より シン=ウォルフォード +α

+αについては後述。

 

『ルーパー』ホンダ・ユウヤ

原典:『Re:ゼロから始める異世界生活』より ナツキ・スバル

スバル→国産車→ホンダは凝ってるなと思う反面だったら別のところももう少し凝れよと思わなくもない。

 

 そしてそんな転生者たちを束ねるリーダーは……

 

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双剣の黒騎士』キルト

原典:『ソードアート・オンライン』より キリト

 

 ……もうSAOは異世界ものじゃないだろってツッコむ気力すらなくなったよね。

 思ったよりそのまんまなメンバーが本作の悪役、正気とは思えない。

 

 最低な例えをするけど、ギャンブル漫画の悪役で蛇喰夢子を元ネタとした蛇腹弓子みたいなキャラが出てきて「賭け狂いましょう」って言いながら弱者から金を巻き上げてたら嫌じゃん。そこから更に伊藤開司とか斑目貘が元ネタのキャラが現れて同じようなことをしだしたらもっと嫌じゃん。

 しかもそれを元ネタの作品とは全く関係のない人物が書いているのだからめちゃくちゃ嫌な気分になる。

 そんな感じで1話を読んでいた。

 

 

中途半端なパロディは嫌い

 ルイによって殺されたはずのリュートだったが、魔女を名乗る女性に助けられる。そして魔女の誘いに乗りリュートは転生者への復讐を始める。

 最初のターゲットは幼馴染を殺害した張本人であるルイ。しかし、転生者たちはそれぞれチート能力を持っていて、普通では勝つことができない。

 

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 ……ルイの持つチート能力、既視感がありますね。

 

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※賢者の孫コミカライズ版1巻 

 

 ルイの能力は原典である『賢者の孫』とほぼ同じなので個人的には怒られても文句は一切言えないと思いますよ。

 

 転生者と戦うために魔女がリュートに与えたのは知識。転生者たちの前世についての情報である。

 魔女曰く転生者たちの前世はどれもイキリ陰キャな社会不適合者らしいのだがちょっと待ってほしい。

 『賢者の孫』だけでなく、転生者たちの元ネタのキャラクターたちの前世に魔女の言った言葉が当てはまるキャラは少ない。

 まぁ所詮はオマージュ元だしそこまで一緒にする必要はないでしょとは思うのだが、単純に河本先生が元ネタである作品たちをあまり読んでいない疑惑がある。その最たる例がこれだ。

 

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 二つとも『賢者の孫』が元ネタのルイの台詞なのだが、すぐに違和感に気づいた物好きな優秀なオタクも何人かいるかもしれない。

 一枚目は『賢者の孫』での名台詞「またオレ何かやっちゃいました?」だ。

 しかし二枚目の台詞の元ネタは別作品、これが先程+αと書いた理由だ。元ネタは『黙れドン太郎』こと『物理さんで無双してたらモテモテになりました』の名シーンだ。

 

 河本先生が「黙れ(ドン」のシーンを『賢者の孫』のものだと勘違いしていたのか、わざとルイの元ネタに二つの作品を混ぜ合わせたのかは定かではないが、どちらにせよ双方に失礼としか言いようがない。

 これはただ単に『黙れドン太郎』だからという話ではなく、極論だがルイの元ネタが『物理さん』と以前読んで感想を書いた『転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件(以下略』の混ぜ合わせだったとしても同じ反応をしていただろう。

 安易で中途半端なパロディはそのキャラへの冒涜でしかない。更に原典が絶対にしないであろう非道な悪役をやらせているのだからなおさらだ。出来の悪い二次創作みたいなことを本当にしたいのなら、せめてもっと原作を読みこんでからにしてくれ。

 

 私が個人的にかなり好きな『はめふら』が元ネタであるイメルダの過去や異世界での悪逆非道っぷりによっては今回以上にキレると思うので対戦よろしくお願いします(厄介オタク)。

 

最後に

 1話はルイと接触したところで終了し、次回は来月まで待つしかない。

 一応雑誌で追って読むつもりではいるけど流石にこれ以上感想は書きません。

 正直パロありきの作品というかパロ無しだった場合面白い要素が極端に減る作品でもあるのでパロに寛容な人は毎月私と一緒に地獄を味わってくれ。

 

 あと『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』が元ネタのキャラがいないのは掲載誌への忖度ですか?

訂正:お気持ち書き終わった後チートスを食べながらドラゴンエイジを読んでたら『このすば』が掲載されていたのでマジで全方位に喧嘩売ってて笑っちゃった。もしかしてこれって神漫画かもしれない……。

 

おしまい

唐突に明るい百合ゲーをやりたくなった百合オタク『推しのラブより恋のラブ』

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はじめに

 先日、百合ゲーである『素敵な彼女の作り方』をプレイし、感想を書いた。

 粗の多い作品ではあったが、別に嫌いではない。ただ、ダークな百合を摂取した後はライトな百合が欲しくなる。苦いものと甘いものを交互に取ることで理論上無限に百合を補給することができる。

 そして明るい百合ゲームを探していたところ、丁度よく新作ゲームが発表された。『推しのラブより恋のラブLoD』、昨年発売された作品の続編だ。

 気になっていたもののプレイできていなかったため、折角の機会なので前作を購入してプレイした。

 私が購入したのは18禁シナリオ同梱版なのだが、一応本編自体は18禁ではない……はず。

 

 

ギャル×限界オタク

 主人公のあくるはオタクであり、その日も彼女は推しを当てるためにガチャを回していた。だが既に課金額は家賃二ヶ月分に達していた。青天井かぁ……

 そんな中、あくるのいたカフェでちょっとした騒ぎが起きる。一人の少女がくじを引いて特賞を当てたのだ。

 あくるが興味本位で少女に近づくと、ひょんなことから少女があくるのガチャを回すことになる。そしてガチャから排出されたのは……あくるの推しキャラだった。

 その結果あくるは思わず呟いてしまった。

 

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※結婚したのか、俺以外のヤツと…

 その言葉を聞いた少女、レンはそれが自分に向けたものだと勘違いしてしまう。

 こうして二人のドタバタな日常が始まる……。

 

 

本当に明るいし尊い

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※ウッッッッッッッ

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※アッッッッッッッッッッ

 色々とあってあくるとレンは同居することになる。当然トラブルの連続ではあるのだが、そこまで深刻な状況にはならない。本当に明るい百合が続いてプレイヤーの脳を溶かしてくる。

 あくるに一目惚れして猛アタックするレンと、彼女に振り回されるあくるの姿は本当に見ていてニヤニヤしてしまった。

 あくるはレンのことを恋人にできないと言いつつも彼女の存在を意識して謎の妄想までしてしまう。

 

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 結婚したらという妄想とはいえ、自然と二人の間に子供ができると考えちゃうあくるが本当に可愛い。こんなの絶対好きじゃん。

 

 人によっては物語の起伏があまりないという感想になってしまうかもしれないが、私はプレイしながら数分ごとに呻き声を上げながら一旦中断するのを繰り返していたため無駄にクリアに時間がかかってしまった。

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※ウゥ…………

 あくるが自身の感情に気づき一歩踏み込もうとしたが、その直後にレンはあくるの前から姿を消してしまう。

 当然あくるはレンを探すのだが、すると次々とレンの吐いた嘘が発覚していく。そこであくるは一つの選択をすることになる。傷つくことを恐れて逃げるのか、傷ついてでもレンを求めるのか。

 この先は自分の目で確かめてくれ! まぁ少なくともそんなにシリアスなことにはならないよ。

 

 

ガッツリするエクストラシナリオ

 18禁シナリオであるエクストラシナリオは本編終了後の物語だ。夏のある日、二人は旅行で温泉に行くことになる。

 購入したDLsiteでは「ちょっぴりエッ〇な百合18禁アペンド」と書かれていた。そしてサンプル画像には浴衣に着替えようとする裸のレンのCGが載っていた。

 私はそれを見て勘違いしてしまった。てっきりキャラの裸姿が出るから18禁になったのだと思っていた。

 しかし……あまりハッキリとは言えないがガッツリします。3回もします。正確には4回かもしれない。更にご丁寧にそのシーンを振り返る機能もあります。使ったことないからあまり振り返り機能の需要はわからない。

 

 私は油断してイヤホンをせずにスピーカーでその際の音声を垂れ流してしまったのでもし今からプレイする人は注意してほしい。

 でも『素敵な彼女の作り方』は全編スピーカーでプレイしていたので今更恥じる必要もなかったのかもしれない。

 

 

おわりに

 続編である『推しのラブより恋のラブLoD』は7月30日発売だ。続編では二人が結婚するらしいので本当に楽しみだ。

 当然買うのだが一つ問題があるとしたら買いたいゲームが7月末に集中していることだ。

 27日には『新すばらしきこのせかい』、29日には『真流行り神3』が発売する。どれも楽しみにしていたシリーズ最新作なので時間と財布が大変なことになりそうだ。

二人で一人の探偵『探偵撲滅』中編

※2章のトリックと犯人のネタバレが含まれています

 

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幽霊と化した探偵

 1章のラストで命を散らしてしまった理想探偵。しかし他の探偵たちは彼女の犠牲のおかげで謎の機械から逃げることに成功する。

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 逃げ帰った無能たちは、改めて事件の解決を決意する。

 だが時間も遅いため、今夜は解散となった。

 理想が泊まるはずだった部屋で眠ることになった無能探偵だったが、彼の前に思いもよらない人物が姿を現す。

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 ……殺されたはずの理想探偵だ。

 無能は予想外の出来事に大声を出し、部屋に他の探偵たちが集まってくる。しかし、無能以外の人間には理想の姿が見えていない。

 初めは幻覚だと考えたが、理想は無能の知らない他の探偵たちが泊まる部屋の場所を知っていた。つまり、答えは一つ。

 ……現在無能探偵の前にいる理想探偵は幽霊だと。

 個人的には特殊設定盛りだくさんのミステリーは嫌いではない。しかし謎の殺人機械や幽霊といったリアリティラインがあやふやになってしまう要素は人によっては好みがわかれるかもしれない。

 

 

フラグでしかない罠部屋

 翌日、探偵たちは屋敷からの脱出を目指して改めて調査を開始する。

 そして二階を調べていると、無能たちは奇妙な部屋を見つける。二階は何故かどの部屋も扉の建てつけが悪いのだが、その部屋は扉はロープを使って開きっぱなしになっていた。

 しかし、この部屋は罠だった。扉が閉まると床から針が飛び出す仕組みになっていた。何のために……?

 

 絶体絶命のピンチだったが、『魔界探偵』の観察眼によって九死に一生を得る。

 罠部屋には木製の椅子とテーブルが設置されていて、何故かそれらはボルトで位置が固定されている。普通に考えれば罠で家具は破壊されてしまう。しかし家具は壊れていない。つまりこの上にいれば針は来ないという理屈だ。

 そしてまた罠が作動しないように、扉には木片で作ったつっかえ棒を設置した。

 

 なんとか罠を回避できた探偵たちだったが、私はこのシーンを見ながらこう思っていた。

(多分この後ここで誰か死ぬんだろうなぁ……)

 そしてその予想は的中することになる。

 

 

第二の事件

 数日後、トラブルが発生する。冷蔵庫が何者かによって荒らされていたのだ。

 無能たちは今後食事をどうするか考えていたが、罠部屋で隠し通路を見つけたと『渋谷探偵』が戻ってくる。

 しかし、設置した監視カメラで罠部屋を確認すると、そこにいた魔界探偵の様子がおかしい。彼は明らかに苦しんでいた。

 そして更に不可思議なことが起きる。誰も触れていない扉がひとりでに閉じて、罠が作動したのだ。

 無能たちは魔界を救うために罠部屋に向かうが、そこにあったのは既に罠の針によって身体中を貫かれた無惨な遺体だった。

 こうして探偵たちはオカルト絡みの事件を数多く解いてきた魔界探偵を殺害した『透明人間』を捜すことになる……。

 

 

ちょっと問題のある捜査パート

 

 捜査パート自体はとても楽しめて好きなのだが、2章は少し問題がある。

 2章からはマップに罠が出現して、ターン終了時そのマスの上に探偵がいると問答無用でゲームオーバーになってしまう。

 罠は一定の数値で解除することができるのだが、数値の足りない探偵が勝手に突っ込んでゲームオーバーになるという事態が何度も起きてしまった。

 介入可能な探偵なら行動を指示して回避することもできるのだが、介入不可だから質が悪い。そのため捜査を後回しにして探偵を一人サポートに回さなくてはならないのだが、そのせいでテンポが悪くなりストレスを感じてしまった。

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※私の推し探偵

 そのせいで収集品を集めることまでに手が回らず、全回収ができないまま捜査を終えてしまった。

 

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魔界探偵に毒を盛った方法

 捜査の結果、扉付近の床が水で濡れていたこと、監視カメラではつっかえ棒の位置が死角になっていたこと、二階扉は蝶番を使って意図的に建てつけが悪いと刷り込まれていたこと、そして何故か二階のトイレから毒が検出されたことが判明する。

 そして無能は犯人が事件直前に魔界探偵と一緒にいた『渋谷探偵』であることを解き明かす。

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 どうやって魔界探偵に毒を盛ったかだが、その方法は至極単純。渋谷探偵は自身の付け爪に毒を塗って魔界に抱き着いた拍子に刺したのだ。

 その後トイレで付け爪を処理したため、トイレから毒が検出されたというわけだ。

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 更に『透明人間』のトリックも単純だ。渋谷は監視カメラの死角を利用して、つっかえ棒を氷と入れ替えた。

 そして魔界探偵が毒で苦しみ始めた直後、氷が解けてつっかえ棒を失った扉が自動的に閉じる。その結果罠が作動し、魔界は針で貫かれてしまった。

 

 

屋敷からの脱出

 犯行を認めた渋谷探偵は、自身が『八つ裂き公』の協力者であることを明かす。そして毒の煙を巻いて自ら命を絶ってしまった。

 屋敷全体に毒が充満すれば全滅してしまう。そこで無能たちは魔界が生前に見つけた隠し通路を使って脱出する。ここで2章は終了だ。

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 これも予想通りだったがやはり犯人も章の最後に脱落してしまうようだ。

 複数の探偵を操作して証拠を集める捜査パートが一番楽しいので、探偵の人数が減ってしまうことには多少の不安を感じてしまった。

 しかし、そんな不安が些細に感じるほどとんでも要素が増した事件が3章以降では起きるのだった……。

 

 

つづく

13人の探偵VSキルスコア3桁『探偵撲滅』前編

※体験版範囲の1章のトリックを含めたネタバレが含まれています。

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はじめに

 私は日本一ソフトウェアの信者だ。『じんるいのみなさまへ』を神ゲー扱いしてるし。

 そのため27日に発売される本作も楽しみにしていたのだが、13日に1章を丸々遊ぶことができる体験版が配信された。

 なのでプレイした感想をネタバレありで語っていきたいと思う。

 書くのをサボっていたら発売日を過ぎてしまっていた。ちなみに二日かけてクリアしました。

 最初にも書いたがトリックのネタバレも含んでいるので是非興味を持った人は体験版をダウンロードしてほしい。

 

 

キルスコア3桁の殺人鬼

 配信サイトに突如現れた殺人鬼『八つ裂き公』、その最初の事件から半年で犠牲者は100人以上にもなってしまった。3桁殺しはやばすぎる。

 警察は有力な手掛かりを見つけることができず、事件解決のために優秀な探偵たちで構成された組織『探偵同盟』が動くことになる。

 主人公の北条和都はとある理由で『探偵同盟』に所属することになるのだが、ほぼ誘拐のような形で訪れた島で事件に巻き込まれることになってしまう……。

 

 

無能探偵

 これは決して探偵を貶しているのではなく、れっきとした主人公のもう一つの名前である。

 探偵は職業上他者からの恨みを買いやすい。そのため同盟に所属している探偵は『○○探偵』といったもう一つの名前、『探偵ネーム』を持つことで自身の個人情報を隠しているのだ。

 北条にも探偵ネームが与えられるのだが、彼が解決した事件は0、これといった特技もないため『無能探偵』という不名誉な称号になってしまう。

 他の探偵たちは『理想探偵』、『科学探偵』、『武装探偵』といった立派な探偵ネームを持っている。要はダンガンロンパの『超高校級の○○』だと思ってもらえれば。

 

 

第一の事件

 被害者は無能探偵を島に誘拐した『老師探偵』。その遺体は無惨にも四肢が切断されていた。

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 そして現場となった屋敷に最初に入ったのは無能探偵、結果的に彼が疑われることになってしまう。

 無能以外の探偵たちは遺体を発見する数十分前に老師の声を電話で聞いている。更に彼らが調査していた研究棟と屋敷の間は一本道、屋敷へ向かう時も誰ともすれ違ってはいない。つまり無能以外に犯行可能な人間が存在しないということになってしまう。

 絶対絶命の無能を庇ったのが序列2位にして探偵同盟の実質的なリーダーである『理想探偵』。彼女は声帯模写を根拠に、老師が電話よりも前に殺害されていた可能性を提示する。

 声帯模写なんてそんな簡単にできるのか? と思ってしまうのだが、実際に理想は老師の声真似をしたのでそういう世界観と納得するしかない。

 

 

パズル要素の強い捜査パート

 疑いが晴れたのだが、依然として誰がどうやって老師を殺害したのかは不明。

 当然探偵たちは捜査を始めるのだが、無能はこれといった能力は有していない。そこで理想に手引きされながら、探偵全員の司令塔として動くことになる。

 それがこのゲームのメインである捜査パートなのだが、めちゃくちゃ楽しい。

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 画面はディスガイアファイアーエムブレムといったシミュレーションのようなものになっていて、怪しい箇所にキャラを動かし適切な行動を指示することで証拠を集めていく。

 だが当然指示に従わない探偵もいる。そこでプレイヤーはその探偵の行動予測を見て、他の探偵を使ってその手助けをするか、ターンを消費せずに先に指定した探偵だけを行動させる先行調査を使ってもっと効率のいい探偵で先に調査を進めるかを適宜考えなくてはならない。

 そういったパズル的な要素が新鮮で、夢中でプレイしていた。

 ただ細かいことを言ってしまうと、この章では問題ないのだが2章からは犯人も捜査にかなり協力的で一人でも嬉々として証拠集めをしているのが少しシュールだったり、罠に突っ込む介入不可の探偵にイライラしてしまうので、もし続編や同じシステムのゲームを出す予定があるならそういったところは修正してほしい。

 

 

手間のかかることを……

 捜査パートを終え、次は解決パートだ。

 テキストを読みながら適宜正しい選択肢を選んでトリックを解き明かしていくのだが、流石にここに目新しい要素はなかった。

 そして老師探偵を殺害した犯人は……1章では判明しない。

 1章で解き明かすのは殺害方法と無能探偵には犯行が不可能ということだけだ。

 そして肝心のトリックなのだが、かなり大仕掛けなもので笑ってしまった。

 現場の地下室の真上にあるエントランスの床には小さな穴があり、そこへワイヤーを通し地下室にいる老師を拘束していた。そしてエントランス側のワイヤーはシャンデリアに括りつけ、無能が屋敷へ入った時に作動したシャンデリア落下の罠の衝撃で、老師を縛るワイヤーが勢いよく引き上げられ、それによって老師の身体が切断されてしまった。

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※これはまだ不完全な図

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※滑車のような仕掛け。

 恐ろしく手間のかかるトリックだが、これが真実なのだから仕方がない。

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※収集品やランク要素もある。

 

 

二人目の犠牲者

 殺害方法はわかったが犯人はわからない。だが犯人はまだ島で探偵たちと一緒に閉じ込められている。

 今後のことを話し合っていると、突如研究棟前のヘリポートに光源が出現する。救助だと考えヘリポートへ向かった探偵たちの前に現れたのは謎の球体型ロボット。そういうのありな世界観なんだ……。

 そしてロボットから探偵たちを逃がすために理想探偵は囮になり、結果ロボットから飛び出ててきた刃物によって命を散らしてしまう。ここで体験版1章は終わりだ。

 

 正直に言うと理想探偵の退場は最初から予想がついていた。

 彼女は優秀すぎてほとんどの探偵たちの上位互換となっている。それではゲームのコンセプトである探偵たちで協力して謎を解くことの邪魔になってしまう。なので早々に退場してその意思を主人公が引き継ぐといった展開は容易に想像できた。

 

 しかしロボットに殺されるとは微塵も想像していなかった。

 だが、ここから更にとんでもない存在が現れるとは、まだこの時の私は知らなかった……。

 

 

つづく